次世代・くさび式足場計算アプリ ASIBA+ 操作説明書

ver 3.3.x (2025年8月)

はじめに

本アプリは、次世代足場・くさび式足場に対応した資材数量および重量の自動計算ツールです。実際の現場で使用される資材仕様(特にダーウィン製1800基準)に基づき、施工計画や見積・資材準備の効率化をサポートします。
カスタムパターンの選択や手摺仕様、アンチ段数、オプション部材の有無などを細かく設定できるほか、計算結果をExcelやCSV形式で出力し、見積書や請求書作成まで一気通貫で行えます。

使用前の準備

現場名・メモ・工期の入力

計算を開始する前に現場名メモを入力します。現場名は出力ファイル名に反映され、メモ欄には安全上の注意や現場固有の補足情報を記録できます。
また、工期開始・工期終了の日付を入力することで費用計算に日数を反映します。

主な機能と操作手順

足場構成の基本設定

足場の組み立て・解体の流れに応じた9パターンから足場のタイプを選択します。各パターンは地組みから嵩上げへの移行や、先行手摺とアンチ(布板)をどの段で終えるかを組み合わせたものです。選択したパターンによって基準となる部材の配置が変わります。

さらに足場幅は 600 / 900 / 1200 mm から選択でき、現場のスペースや足場の安定性に応じて変更します。

手摺仕様として「外先行手摺り・内手摺」「両側先行手摺」「両側手摺」の3種類が選べます。先行手摺りを選択すると組立中も安全性を高めることができます。

自動割付け(サイズ入力)

組立範囲の長さ高さ(mm)を入力すると、アプリが自動的に必要スパン数と段数を割付けます。計算対象エリアが曖昧な場合は次の「スパン数の手動設定」で細かく調整できます。

スパン数の手動設定

1800・1500・1200・900・600 mm の各スパン数を手動で指定できます。現場の形状や障害物、通路幅に応じて調整することで、より実際の状況に即した計算が可能です。

アンチ段数の設定(必須)

アンチ(布板)を敷く段数を入力すると、その段数に応じて足場全体の高さが自動的に算出されます。必要な作業床の段数を必ず入力してください。次世代足場ではアンチ段数を設定しないと計算が行えません。

敷板・階段・巾木などのオプション

足場にはさまざまなオプション部材を追加できます。必要な項目をプルダウンで選択したり数値を入力すると、その内容が材料数・重量に反映されます。

  • 敷板 – 足場の土台に敷板(足場板)を敷くかどうかを選択します。
  • 階段 – 階段の設置箇所数を数値で入力し、タイプとして「階段(手摺1段)」「階段(手摺2段)」「ハシゴ付き布板」などからプルダウンで選びます。
  • 巾木 – 無/片側/両側からプルダウンで選択し、巾木タイプとして「標準」または「アルミ」を指定します。標準巾木はスパンに応じた長さのL型巾木で、アルミ巾木は長尺タイプで専用のクランプを用いて支柱に固定します。

階段と巾木は安全性に直結するため、現場の安全基準に従って適切に設定してください。

妻側手摺とブラケット足場

妻側(足場の両端部)の手摺りの有無を「無し」「片側」「両側」からプルダウンで選択できます。さらにブラケット足場(外側に出す張り出し足場)を追加する場合は、幅(250・500・750・1000mm)や段数を数値で入力し、妻側手摺り(無/1段/2段)をプルダウンから選択して細かく設定できます。

層間養生と外部養生

次世代足場では養生ネットにも複数のオプションがあります。層間養生では取り付ける段数を数値で入力し、外部養生では「メッシュシート」「垂直ネット」「無し」からプルダウンで選択します。外部養生にメッシュシートや垂直ネットを選んだ場合は、面積と妻側養生の有無から必要枚数を自動計算します。

メーカーや色、妻側養生の有無も細かく設定できるので、施工場所の景観や安全基準に応じて選択してください。

壁つなぎ

壁つなぎは足場を建物に固定するための重要な部材です。長さは160〜1060mmの4種類から選択でき、水平および垂直方向のピッチも全建地・1〜3本/段とばしなど柔軟に設定可能です。
適切なピッチ設定は強度に大きく影響するため、現場の仕様書や安全基準に従って設定してください。

ダウンロード形式の選択

計算結果の出力形式はExcel(.xlsx)CSV(.csv)の2種類が用意されています。フォーム内の「ダウンロード形式」プルダウンで拡張子を選んでおくと、計算後にその形式で結果を取得できます。

Excel形式は表計算ソフトで直接開いて編集やPDF変換ができ、CSV形式は軽量で他システムとのデータ連携に便利です。

計算・ダウンロード・その他のボタン

画面下部には複数のボタンが並んでおり、それぞれ次のような役割を持ちます。

  • 計算 – 入力した条件に基づき、必要な資材数量や重量、費用を自動計算し、結果テーブルに表示します。
  • 結果をダウンロード – 計算結果を指定した形式(Excel/CSV)でダウンロードします。
  • サマリー – 現在入力している条件の一覧や計算概要(サマリー)を表示するパネルを開閉します。入力内容をまとめて確認・修正する際に便利です。
  • 設定 – 各種単価設定や会社情報などを入力する設定パネルを開閉します。
  • 見積書ダウンロード – 計算結果に基づいた見積書フォーマットのExcelファイルをダウンロードします。

これらのボタンの操作結果はリアルタイムに反映されます。計算後に条件を変更した場合は再度「計算」ボタンを押して結果を更新してください。

設定パネル

設定パネルでは、会社情報や顧客情報の登録、見積書・請求書の書式設定、費用計算に使用する単価の入力など、アプリ全体の挙動を細かく制御できます。設定内容は縦にスクロールして入力する形式になっており、画面下部へスクロールすることで各セクションの項目を順番に編集できます。

会社情報と請求情報

会社名・住所・TEL・FAX・担当者名・E‑mailなどの情報を入力します。請求書に記載するインボイス登録番号や銀行口座情報、請求日もここで設定します。入力した情報は見積書・請求書のヘッダーとして反映されます。

ナンバー設定

見積書および請求書に連番を表示する場合は「見積書ナンバーを表示」「請求書ナンバーを表示」をオンにします。番号リセットボタンを押すと番号カウンターが 1 に戻ります。番号はローカル環境に保存され、次回以降も連続した番号が自動で付与されます。

費用カテゴリと単価設定

見積書に含める費用カテゴリ(運搬費・材料費・労務費)をトグルスイッチで設定します。デフォルトでは全てのカテゴリがオフになっており、オンにしたカテゴリのみが費用計算結果と見積書に反映されます。
材料費の計算方式は個別材料費平米当たりの材料費から選択でき、個別材料費モードでは各資材の基本単価と日割単価を入力します。

運搬費では車両ごとの基本単価および日割単価を入力し、クレーン付きトラック(クレーン車)や平車など複数の車種に対応しています。労務費では作業内容ごとの単価を入力し、法定福利費率や一般管理費率も設定できます。法定福利費率は任意の数字を入力でき、例えば 15% の場合は 0.15 と入力します。また、法定福利費の計算に運搬費を含めるかどうかをチェックボックスで選択できます。

ダウンロードに含めるシート

見積書や請求書の出力時に含めるシートをチェックボックスで選択できます。デフォルトではすべてのシートがオフになっており、必要なものだけチェックを入れておくと、出力ファイルのサイズを抑えられます。一般的に以下の4種類があります。

  • 見積書 – 見積金額の合計と内訳摘要を記載したメインシート。
  • 材料費内訳(見積書用) – 個別材料費モード時に各材料の数量・単価・金額を詳細に記載したシート。
  • 請求書 – 顧客情報、請求金額、振込先などを記載したシート。
  • 材料費内訳(請求書用) – 請求書に基づき材料費の明細を記載するシート。
設定の保存とリセット

入力した設定やトグルの状態はブラウザに保存され、ページをリロードしても保持されます。保存ボタンで現在の状態を保存し、リセットボタンで各セクションを初期状態に戻せます。設定が多い場合でも、必要な部分のみリセットできるため安心です。

計算方法

次世代・くさび式足場版ASIBA+では、ユーザーが入力した数値と選択したオプションから必要資材を自動で計算します。主な計算の流れを説明します。

部材数量の計算

スパン数・段数・幅と各種オプションから、足場枠・支柱・楔・手摺・アンチ(布板)・階段・巾木・ブラケット・養生ネットなどの数量を算出します。各スパン長や段数に応じて必要本数や枚数を計算します。
また、壁つなぎの長さやピッチに基づいて壁つなぎ金具の本数を算出し、外部養生では選択したメッシュシートまたは垂直ネットの面積と妻側養生の有無から必要枚数を決定します。

費用の計算

設定パネルで入力した単価に基づき、資材費・労務費・運搬費を算出します。材料費は平米当たり方式と個別材料方式のいずれかを選択し、労務費は作業単価×数量で計算します。運搬費は総重量を車両の積載量で割って必要なトラック台数を求め、その台数に車両単価(基本単価+日割単価×日数)を掛けて算出します。単価が未記入の項目は 0 円として扱われます。

法定福利費や一般管理費は、労務費および必要に応じて運搬費の合計に、ユーザーが設定した割合を乗じて算出します。法定福利費率は任意の数値を入力でき、たとえば 15% の場合は 0.15 と記入します。また、福利費の計算に運搬費を含めるかどうかをチェックボックスで選択できます。

出力とダウンロード

出力形式とダウンロード手順

計算が完了したら、結果をExcel (.xlsx)またはCSV (.csv)形式でダウンロードできます。フォーム上部のダウンロード形式プルダウンで拡張子を選んでから「結果をダウンロード」ボタンをクリックしてください。

  1. すべての入力項目を設定し計算ボタンを押します。
  2. 計算結果テーブルと費用結果が表示されたら、ダウンロード形式(Excel/CSV)を確認します。
  3. 結果をダウンロードボタンを押すと、設定パネルで選択したシート(材料数量や費用内訳など)が含まれたファイルが自動で生成・保存されます。
  4. 見積書ダウンロードボタン(および請求書ダウンロードボタン)を押すと、計算結果に基づいた見積書や請求書のExcelファイルがダウンロードされます。これらのシートは独自のレイアウトで出力されるため、「結果をダウンロード」とは別に選択します。
  5. ダウンロードしたExcelを開き、必要に応じてPDF形式で保存することもできます。Excelファイルを開いて印刷設定を行ったあと、「名前を付けて保存」>「PDF」を選択してください。

トラブルシューティング

計算結果が表示されない

必須項目が未入力の場合や文字列が数値でない場合、結果は表示されません。特にアンチ段数を入力しないと計算が行われませんのでご注意ください。数値入力欄では半角数字(0-9)を使用してください。全角数字や記号が混在していると正しく計算できない場合があります。値を確認し、再度計算ボタンを押してください。

ダウンロードできない/ファイルが開けない

ブラウザのポップアップ設定やダウンロード許可設定により、ファイルが保存されないことがあります。ダウンロード時に確認ダイアログが表示された場合は、許可を選択してください。また、CSVファイルを開く際は文字コードをUTF-8に設定すると文字化けを防げます。

お問い合わせ

操作方法について不明点がある場合や不具合を発見した場合は、株式会社藤羽のお問い合わせページからご連絡ください。

株式会社藤羽 お問い合わせページ

ご質問やご要望がございましたら、お気軽にお知らせください。

バージョン情報

この操作説明書はアプリバージョン ver3.3.x に対応しています。将来的にアプリが更新された場合、説明書も適宜アップデートされます。

項目 内容
HTML構成 ver3.3.0-次世代足場.html
スクリプト ver3.3.2-scaffold-material-calculator.js
CSSスタイル ver3.3.4-scaffold-calculator.css
重量データ material-weights-kusabi.js(ダーウィン規格基準)

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