【2025年最新版】足場の点検に必要な資格とは?安全管理者が解説
建設現場において事故を防ぐうえで欠かせないのが、足場の安全点検です。しかし、点検を誰が行うべきか、どんな資格が必要かについては、意外と知られていません。本記事では、厚生労働省のガイドラインをもとに「足場の点検に必要な資格と役割」についてわかりやすく解説します。
足場の点検は誰が行うべきか?【法律に基づいた解説】
労働安全衛生法では、足場の点検を行う者は「足場の点検に関する十分な知識および経験を有する者」でなければならないと定められています。厚生労働省のガイドライン(PDF資料)によれば、具体的には以下のような資格・講習を修了した者が該当します。
対象者 | 具体的な資格・講習 | 講習の概要 |
---|---|---|
足場作業主任者 | 「足場の組立て等作業主任者」+「能力向上教育」 | 足場の構造理解、墜落防止措置、最新の安全基準を学ぶ。経験者の知識更新にも有効。 |
労働安全コンサルタント | (土木・建築分野)国家試験による資格 | 労働安全全般に関する専門家資格で、構造物や仮設の安全評価にも携われる。 |
仮設安全監理者 | 全国仮設安全事業協同組合の講習 | 仮設足場・資材の管理や点検、安全指導の実務スキルを学ぶ内容。 |
施工管理者等 | 建災防「足場点検実務研修」 | 施工管理者・現場代理人向け。点検時のチェック項目、実務での判断力を養成。 |
なぜ資格が必要なのか?【足場点検の重要性】
足場の倒壊や部材の落下は、現場作業員の命に関わる重大な事故につながります。適切な点検を行うには、構造的な知識・劣化の兆候の見極め・組立ミスの判別力が必要です。よって、一定の講習・資格を持つことが安全確保の前提となるのです。
主な点検項目とその頻度
点検は以下のようなタイミングで実施されます:
- 足場の組立て後・解体前
- 強風・地震・大雨後
- 毎日の使用前点検(巡回点検)
点検内容の一例:
- 部材のゆるみ・外れ・変形の有無
- 足場板の滑り止め状態
- 手すりや筋交いの設置状況
- 荷重オーバーの兆候(たわみ・揺れ)
資格取得の方法と講習機関一覧
以下の機関で講習や資格取得が可能です(最新情報は各公式サイトを参照):
よくある質問(FAQ)
Q. 足場作業主任者の資格だけでは点検者になれないの?
→ 作業主任者資格に加えて、能力向上教育を受けていることが望まれます。
Q. 無資格の現場責任者でも点検していいの?
→ 法的には「十分な知識・経験」が求められます。無資格では責任が問われるケースも。
Q. 点検者は現場に常駐していなければならない?
→ 点検時に立ち会い、記録を行う必要があります。常駐の義務はありませんが、迅速な対応が望まれます。
まとめ|安全な現場のために、資格と点検は必須
足場事故の多くは、「知識不足」や「見逃し」による点検ミスが原因です。だからこそ、正しい資格を持つ者による点検が法的にも現場的にも求められています。これから資格取得を目指す方、点検者を探している方は、上記の機関や講習の情報を参考にしてください。
参考資料:
厚生労働省|足場の点検者に必要な知識と資格(PDF)
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